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<レビュー>映画『宇宙兄弟#0』


日本中を夢と感動で包み込んだ国民的漫画作品「宇宙兄弟」の、まだ描かれていない《本当の始まり》。

©宇宙兄弟CES2014
©宇宙兄弟CES2014

INTRODUCTION

「約束だ。俺らは二人で宇宙飛行士になるぞ。」

幼い頃に誓った宇宙飛行士への夢 ― 兄弟揃って月に立つために、兄・南波六太と、弟・日々人は、さまざまな苦難を乗り越え、果てしない夢に一歩ずつ近づいていった。

2008年に週刊モーニングで連載開始された「宇宙兄弟」。単行本は1400万部を突破し、2012年のテレビアニメ化・実写映画化を経て、国民的作品となった。そしてその夢の原点が、原作者・小山宙哉氏本人のオリジナル脚本によってシリーズ初のアニメーション映画化される。

これは、漫画でもテレビアニメでも見ることができない第0話、つまり『宇宙兄弟#0』(#0=ナンバーゼロ)である。宇宙兄弟第0話は“さよなら”と“勇気”の物語。二人が宇宙を目指す、本当の理由とは?

すべての人に起こりうる人生の壁 ― 大切な人を失ったとき、人はどうやって立ち直るのか。仲間たちはどうやって支えればよいのか。宇宙兄弟第0話は、“さよなら”と“勇気”を描く物語である。

劇場で彼らの夢の原点に立ち会ってほしい。

©宇宙兄弟CES2014
©宇宙兄弟CES2014

STORY

「ブライアンはさ、なんで俺を自分の控えに選んだの?」

宇宙飛行士ブライアン・Jが搭乗する月面着陸ロケットCES-43のバックアップクルーに選ばれた 南波日々人(なんば・ひびと)は、新人としては異例の大抜擢ながら、自分の実力不足のために悩んでいた。

「辛くて楽しいこのチャンスを、存分に経験しろ」

その言葉を残して月に旅立ったブライアンは、任務を終えたあとの地球着陸時に不慮の事故で命を落とす。ブライアンと日々人との再会は叶わなかった。さらに、CES-43の事故をきっかけに、NASAでは宇宙開発の有人ミッションの見直しを検討し始めることとなる。

一方、兄・南波六太(なんば・むった)は、自動車会社のサラリーマンとして、新車種の開発に携わっていた。幼いころ宇宙飛行士になる夢を約束し、いまや宇宙飛行士として大成した弟とは対照的に、夢を諦め自動車会社で現実味のない夢物語ばかり語る六太は、会社から愛想を尽かされ片田舎への出向を命じられる。そんな自分がどん底の弟にかけられる言葉など、あるのだろうか。

「なんもできねーな、俺」

無力感に打ちひしがれる六太の脳裏に、幼いころ日々人と遊んだ記憶とともに、ある言葉が甦る・・・。

©宇宙兄弟CES2014
©宇宙兄弟CES2014

REVIEW

漫画作品のアニメ―ション映画として、『宇宙兄弟#0』公開されたが、この作品を観る人はどんな観客の方だろうと思ったときTOHOシネマズ日本橋で本作を拝見したときのことを思い出す。

平日夜の回で、女性が多かった気がする。

今回「宇宙兄弟」の過去、日々人の月へのミッションの記者会見のコメントを裏付けるかのような物語が描かれる本作で、途中から号泣する観客の声。

自身、漫画「宇宙兄弟」が連載されるモーニング編集部に一時期いたので、テレビアニメーション化されたころの編集部の情景をフラッシュバックのように、思い起こすことがある。

幾多の困難に打ち勝つ精神力・好奇心とそれに伴う努力を行い、宇宙へ飛び立っていく登場人物を巧みな構成力と人物描写で描く漫画作品と、その原作の小山宙哉先生・ご本人脚本によるアニメーション映画とあって、カタチになった作品がいろんな観客のもとに届いていることを思うと考え深い。

アニメとしての映画『宇宙兄弟#0』を観ていて、編集部の方がモデルと思われるキャラクターなど、ウィットにとんだ登場人物たちと共に、六太が車業界で格闘しながらも宇宙へと気持ちをはせ、日々人を助けていく姿を観ていると、様々な感情移入をする箇所もあり、泣かざるをえない。

シリーズをチェックしてなかった人でも充分楽しめる構成になっている作品なので、是非観てほしいと願った。(文・木下奈々子)


【作品情報】

原作:小山宙哉(講談社「モーニング」)

監督:渡辺歩

アニメーション制作:A-1 Pictures

声の出演:
平田広明、KENNほか

配給 ワーナー・ブラザース映画


【2014年公開作品】

※ 情報は掲載当時のものです。