<レビュー>映画『劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日』
なぜ、信長の城は消えたのか? 戦国タイムトラベル’体感型’ムービー誕生。2013年公開作品。
INTRODUCTION
NHKの人気TVシリーズが豪華キャストを迎え、待望の映画化!!
未来の通信社の記者=時空ジャーナリストが、タイムワープ技術を使い、教科書に載らない名もなき人々に密着し、歴史の真実をドキュメンタリータッチの取材映像であぶり出していく――。
COMMENT
その独自のコンセプトが話題のNHK「タイムスクープハンター」が、遂に映画化!
劇場版の舞台は、織田信長が天下統一の拠点とするも、謎の焼失を遂げた“安土城”。
臨場感溢れる映像で、未だ解明されない歴史の謎に迫っていく。
出演は、テレビシリーズから引き続きとなる要潤、杏に加え、夏帆、時任三郎ら豪華キャストが顔を揃えた。
スケールアップした「タイムスクープハンター」で、戦国乱世の最前線アトラクション・ムービーを体感せよ!
STORY
タイムスクープ社の時空ジャーナリスト・沢嶋雄一(要潤)は、“本能寺の変”直後の京都にいた。
今回の取材対象者は、幻の茶器を持つ商人を博多まで護衛する命を受けた名もなき侍・矢島権之助(時任三郎)。
彼らに密着取材を試みる沢嶋だが、事態は思わぬ展開に。“未来の武器”を持つ謎の山伏に襲われ、茶器が滝壺へ流されてしまったのだ。このままでは歴史が変わってしまう!
ただちに歴史修復作業に取り掛かる沢嶋と、新人ジャーナリスト・細野ヒカリ(夏帆)。
消えた茶器の捜索の末、彼らが最後に辿り着いた先は、信長の居城、安土城。
奇しくもその日は、安土城が焼け落ちた“最後の1日”だった――。
REVIEW
イントロの映像からどんどん「タイムスクープハンター」の世界観に入り込める作品。
NHKの本作のテレビシリーズを観ていなくても、徐々に「決まりごと」が分かっていく。
劇場がアミューズメントパークのアトラクション空間になっていくように、時空を旅できる。
ただ、一点だけ言えるのは、今回時空を旅するだけでなく、タイムスクープ社の沢嶋雄一(要潤)には「ミッション」が課せられており、実際の歴史を修復するのと同時に、ある「歴史の謎」も明らかになっていくという、史実に基づくオリジナル・フィクションだということだ。
監督は2000年のカンヌ広告祭における「ニューディレクターズショーケース」(サーチ&サーチ主催)で世界の新人監督8人に選出された中尾浩之監督。本作が長編初監督となる。
「時代劇をドキュメンタリーとして撮ったら面白いんじゃないか?」という発想から生まれたシリーズであると言う中尾監督は、NHK「タイムスクープハンター」シーズン1~5までの全話の監督・脚本を手がけている。
本作を初めて観たとき、「どうやって過去の人物にカメラ取材の許可を取ったのだろう?」と疑問が生まれた。少しなぞめいてはいるが劇中で解説されている。さらに、タイムスクープ社の人物と関わることによって、過去の人物にも影響は出てくるであろうが、事象として将来あるべき「歴史」の記録の状態を、タイムスクープ社のスタッフが本部で絶えずモニターし監修・判断されるという、この会社の業務の決定方法にも興味を引かれる。
夏の終わりから秋にかけて公開される本作。知識としてある信長の世にあった「安土城」の 最後の1日をイメージしながら、この作品をアトラクションのように’体感’してほしい。
2013/8/28
【作品情報】
CAST
要潤 夏帆 杏 時任三郎 上島竜兵 小島聖 カンニング竹山 嶋田久作 宇津井健(特別出演)
STAFF
【監督・脚本】中尾浩之
配給会社:ギャガ
【2013年公開作品】
(C) 2013 TSH Film Partners
※ 情報は掲載当時のものです。