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カンテレ・フジテレビ系にて『R-1ぐらんぷり2019』決勝戦が放送。霜降り明星 粗品が優勝


3月10日(日)、カンテレ・フジテレビ系にて全国ネット生放送された『R-1ぐらんぷり2019』決勝戦が行われ、芸歴8年目の霜降り明星 粗品が優勝。大会史上最年少優勝かつ、初の「M-1グランプリ」との2冠を達成した。



© 2019 R-1 GRANDPRIX

17回目を迎えた今大会は、初めて参加者をプロの芸人に絞り、2,542名がエントリー。ストレートで勝ち上がった10名と、午後2時半から行われた「復活ステージ」で、2名が勝ち上がり、計12名が決勝戦へと駒を進めた。

Aブロック出場者は、全員初めての決勝進出。トップバッターは、昨年の相方・長田に続いて決勝進出となったチョコレートプラネット松尾。現在大ブレイク中のIKKOモノマネと、「一休さん」を掛け合わせたコントネタで爆笑を巻き起こした。続いて登場したクロスバー直撃 前野悠介は、奇抜な自作小道具を次々披露。意外過ぎる小道具のポテンシャルや、WEBアプリを使った現代ならではの小道具づかいで独自のエンタメワールドを展開した。「やたらとツボった」と、俳優・遠藤憲一から心強い応援メッセージが届いたのは、芸歴17年目のこがけん。歌う曲の英語アレンジの巧妙さに絶句。セルライトスパ大須賀は、生まれたばかりの娘からヒントを得たというネタ。ヒソヒソと小さい声でしゃべるというこれまでにない手法で、大きな笑いを生み出した。

MCの雨上がり決死隊・蛍原は「Aブロックすごいですね!」と、今大会のレベルの高さにビックリ。結果は「小さい声というのは今までになかった」と、審査員の桂文枝をも驚かせた大須賀が、総得点18点の内10点を獲得し、ファイナルステージ進出を勝ち取った。

Bブロックでは、4度目の決勝で優勝を狙うおいでやす小田が、“勝ち組”のキャラコントで、現実とのギャップを叫びながらジタバタする動きが妙にリアルだった。「M-1グランプリ2018」王者の霜降り明星 粗品は、前人未到の「M-1」&「R-1」の2冠を獲るべく、長年続けてきたフリップネタで勝負に出る。小田と同じく4度目の決勝となったルシファー吉岡は、下ネタを封印した“男子校”をテーマにしたコントを披露。ネオ男子校あるあるともいえるネタが圧巻だった。復活ステージを2位で勝ち上がってきたのは、Bブロックで3人目となる4度目の決勝進出者となったマツモトクラブ。過去の決勝同様、声だけの相手との会話劇で人間の嘘をテーマにネタを展開した。結果はなんと、小田と粗品が6点で同点に。大会のルールによって、より多くの審査員から点数が入った方が勝ちということで、審査員3人の小田に対して、4人から点数が入った粗品が、ファイナルステージに進出。

Cブロックでは、同じ事務所からハリウッドザコシショウ、アキラ100%という2人の王者が出ているだーりんず 松本りんすが登場。王者たちの“裸”に負けない“ガチのヅラ”を武器に、モノマネ、手品、演芸と、「R-1」の舞台が前代未聞のカツラエンタメショウとなった。ダンディーさも醸し出す演技力に観ていて心地よかった。2年連続の決勝進出となった唯一の女性芸人・河邑ミクは、地元・大阪を徹底的にイジる大胆なネタ。2013年のR-1王者・三浦マイルドは、地元・広島弁を使ってドスの利いたフリップネタを披露した。復活ステージを見事1位で勝ち上がってきたのは、コンビ時代(巨匠)に、「キングオブコント」決勝進出経験もあるピン芸人・岡野陽一。怪しいおじさんが派手なバルーンを使ってやろうとしている奇想天外な行動に、悲鳴混じりの笑いが沸き起こった。Cブロックの結果は、ダントツで松本に決定。審査員の関根勤は、「独特の世界観にハマりました」とファイナルステージへ太鼓判を押した。

いよいよファイナルステージ。Aブロック勝者の大須賀は、1本目とまったく違ったシチュエーションながら、同じく小声のネタ。猛獣に囲まれて絶体絶命の中で思うことを口にする大須賀に、またも会場中が大声で笑う。Bブロック勝者の粗品は初志貫徹、パジャマにフリップで、ツッコミの乱れ打ち。1本目のネタで友近が「この手法でずっとクオリティーを保っている」と絶賛した通り、まだまだネタのクオリティーと勢いは落ちなかった。同じく1本目と同じカツラ芸で勝負した松本は、1本目を上回る大技の連続。爆笑ネタのみならずヒヤヒヤさせるスリリングなネタとなった。

結果発表では、粗品が大須賀と同点に!1本目と同じルールによって、6人中5人の審査員から点数を獲得した粗品が初優勝。大会史上最年少優勝かつ、初の「M-1グランプリ」との2冠を達成した。


決勝戦ファイナルステージは、今思い出しても、セルライトスパ大須賀さんの静かな世界観、だーりんず 松本りんすさんのカツラネタ×ダンディーのバランス、霜降り明星 粗品さんのムーミンが不眠などのフリップにバンクシー挟みなど、どれも頑張って考えて練った形跡のあるネタばかりで見応えある2時間となった。審査員も気付きのある新しさ、発想、キャラクターなどいろいろな側面から審査をされていたことと思う。放送後は記者会見が開催。当サイトでは会見現場までは伺えなかったが、その模様をお知らせしたい。


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優勝会見では開口一番「最高の気分です」と清々しい笑顔を見せた粗品。高校生のときから挑戦し続けてきた末の優勝だけに、「『R-1ぐらんぷり』は、お笑いを始めたきっかけなので、こうやって優勝することができて光栄です」と語ったという。今回粗品は、史上初の「R-1」&「M-1」のW優勝。さらに史上最年少優勝ということもあり、「本当にうれしいです」とコメント。来年の出場については「いいネタができたら、もしかしたら出るかもしれない」と、まだまだネタへの意欲にあふれている様子だったという。

復活ステージで敗れ決勝を逃した相方・せいやには、会見前に電話で話をしたそうで、「熱かったですね。『めちゃくちゃおもろかったわ』って言ってくれました。そんな相方いないじゃないですか。『M-1優勝したときより俺うれしかったわ』って言ってくれたんですよ。そんな相方いますか?」とうれしさを爆発させた粗品。副賞の冠番組についても、「せいやと何かしたいですね」という希望を挙げ、続いて、似てると言われている俳優・小栗旬に「お会いしたい」とラブコールを送った。


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勝因について聞かれると「大きいのは運。2回とも同点だったのに優勝できて、運は大きいと思います。ネタは初心に戻りました。僕がお笑いを始めたときの雰囲気で、リラックスしてできたのが勝因かな」と分析。予選までを振り返ると、「今日が一番出来がよかったです。最高のパフォーマンスができました」と語り、さらに「M-1」優勝の効果で、「心の余裕はありました。晴れやかな気持ちで出来たのがノーミスにつながったのかなと思います」とも。「ピン芸人時代からの集大成のような形で2回ネタができました。高校生のときに考えたネタでも(観客が)ワーッとなったのは、感慨深いですね」と、長年かけての優勝をしみじみを振り返った。


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優勝賞金の500万円は、「M-1」の賞金だけでは足りなかった「母親への10個のプレゼント」の足しにするとのこと。今後は拠点を東京に移す霜降り明星。「あくまでコンビで売れたいので、霜降り明星としていろんな方におもしろいと思ってもらえるように」という目標を掲げ、「いろんな仕事があるのが東京やと思っているので、お笑い以外の仕事もめちゃくちゃ楽しみです」と意気込みを見せました。これから全国に羽ばたく霜降り明星に、大きな後押しとなった粗品の「R-1」優勝。ぜひ粗品、そして霜降り明星の活躍に注目してほしい。

(編集・木下奈々子)


番組情報

R-1ぐらんぷり2019

放送日:
2019年3月10日(日)午後7時~午後9時(一部地域を除く)
カンテレ・フジテレビ系にて全国ネット生放送

撮影場所:フジテレビ

MC:
雨上がり決死隊、三田友梨佳(フジテレビアナウンサー)

審査員:
桂文枝、関根勤、渡辺正行、久本雅美、陣内智則、友近

<決勝進出者>
●Aブロック:チョコレートプラネット松尾、クロスバー直撃 前野悠介、こがけん、セルライトスパ大須賀
●Bブロック:おいでやす小田、霜降り明星 粗品、ルシファー吉岡、マツモトクラブ(復活ステージ2位通過者)
●Cブロック:だーりんず 松本りんす、河邑ミク、三浦マイルド、岡野陽一(復活ステージ1位通過者)


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