<レビュー&ニュース>映画『お父さんと伊藤さん』プレミアイベント舞台挨拶が開催
「私34歳、彼氏54歳、父74歳 今日から突然、3人で暮らすことになりました」
『陽だまりの彼女』(13)以来3年ぶりの主演映画となる上野樹里が、自分のペースで日々の暮らしを大切に生きる主人公の女性・彩を伸びやかに演じた映画『お父さんと伊藤さん』が10月8日(土)に公開する。
©中澤日菜子・講談社/2016映画「お父さんと伊藤さん」製作委員会
公開に先立ち、主演の上野樹里さんに加え、主人公・彩の20歳年の離れた彼氏役を演じたリリー・フランキーさん、頑固ながらも愛くるしい一面を持つ主人公・彩のお父さん役を演じた藤竜也さん、本作を監督したタナダユキ監督が登壇するプレミアイベントが実施された。
開催日の9月8日は悪天候だったのにも関わらず満席になった客席を見て、上野さんは「無事にこの日を迎えられてほっとしている」「規模的にそこまで大きな映画ではないけど、自分の家族と照らし合わせながら身近に感じて、クスクスと笑ったりグッときたり、じっくり楽しんでもらいたい」と観客へメッセージを送った。
©中澤日菜子・講談社/2016映画「お父さんと伊藤さん」製作委員会
彩の20歳年上の彼氏で給食センターで働く伊藤さんを演じたリリー・フランキーさんは「どうも評判がいいらしい。このままいくと『ゴジラ』を超えるんじゃないかという勢い」と茶目っ気たっぷりに話すと、会場から大きな笑いが。続けてリリーさんが「何気ない家族の話だけど、それぞれの家族にとっての一大事。それを監督が軽妙にユーモアたっぷりに描いていて、最後には温かくなるような話になった」と本作の魅力を語ると、彩の父親役の藤竜也さんも「出来上がった作品を観て、期待以上にとてもいいものができたと思った」「どうします?これゴジラ超えちゃったら」と嬉しそうに答えた。
©中澤日菜子・講談社/2016映画「お父さんと伊藤さん」製作委員会
タナダ監督は「思いの外よかったと演者の皆さんが言ってくれてほっとしている」と話した。キャスティングについては、「決めては最初のインスピレーション。妄想キャスティングが今回叶ってしまって自分が一番ビックリしている」とコメントした。本作は10/8(土)より、新宿バルト9ほか全国ロードショー。
【STORY】
「この家に住む!生活費は自分で払う!」息子夫婦の家を追い出されたお父さんが選んだのは・・・娘の彩と20歳年上(!)の彼氏・伊藤さんが同棲するアパート。3人の奇妙な共同生活は、嵐のように、突然始まった―!
すれちがう3人の心。やがて訪れる別れの朝。その時彼らが選んだ未来とは―?
とんかつにかけるソースの味をめぐり激論を交わす夕食。うすい壁一枚で仕切られた隣の部屋にいるお父さんの存在にあたふたする深夜0時。そして、お父さんと伊藤さんの間に不思議な友情が芽生えていく日曜日の午後・・。毎日のちょっぴりおかしなハプニングを経て、3人がひとつの家族のようになりかけてきた矢先…「しばらくでかける」情けない文字で書かれた置き手紙がひらりと一枚机に置かれ、お父さんが突然行方不明に。すれ違う3人の心が通じ合う日は、果たして訪れるのかー?そして、お父さんが彩たちの家に来た、本当の意味とは―!?
【REVIEW】
きれいごとではない「家族」様々な問題を、長年学校の先生を務めて定年になった「お父さん」の姿や謎めいた54歳のアルバイトの「伊藤さん」との生活を軸に、丁寧に描かれている。
映画のラストシーンは、決まって大変なことが起こって、結果どうなったか少しわかったらエンドロールが流れる気がしていたが、『お父さんと伊藤さん』は「これでもか、これでもか・・・」といろんなエピソードがあってその後の登場人物の感情とか話の展開がきちんと描かれている。
食事シーンもちょっとコッテリのとんかつ、伊藤さんの作ってくれたボリューミーな朝ごはんが食べるシーンも含め描写されている。そして謎の「箱」と耳に残る給食の音。
そして、伊藤さんに背中を押される主人公の愛くるしい姿を見ていると胸にグッときた。
ちょっとアンニュイでマイペースな人々だけれど、いろんな意味のあるセリフの数々と絶妙の間で構成された会話シーンを見ながら、“お父さんと伊藤さん”ワールドを存分に楽しんでほしい。
©中澤日菜子・講談社/2016映画「お父さんと伊藤さん」製作委員会
【作品情報】
出演:
上野樹里 リリー・フランキー/長谷川朝晴 安藤 聖 渡辺えり/藤竜也
原作:中澤日菜子『お父さんと伊藤さん』(講談社刊)
監督:タナダユキ
脚本:黒沢久子
エンディングテーマ:ユニコーン「マイホーム」作詞:奥田民生 作曲:奥田民生
公式サイト: http://father-mrito-movie.com/
企画・製作・配給:ファントム・フィルム
【10/8(土)より、新宿バルト9ほか全国ロードショー!】