<レビュー>映画『美女と野獣』
囚われの身となったベルは、恐ろしい野獣の、悲しい瞳に惹かれていく。彼が野獣になった本当の理由――その秘密は“真実の愛”だけが、解き明かす。
INTRODUCTION
バラを盗み、命を差し出せと言われた父の身代わりに、野獣の城に囚われた美しい娘ベル。
死を覚悟するも、野獣はディナーを共にすること以外、何も強要しない。
やがてベルは、野獣の恐ろしい姿の下にある、もう一つの姿に気付き始める。 かつてその城で何があったのか、野獣が犯した罪とは?
いま、真実の愛が、隠された秘密を解き明かしていく――。
REVIEW
『美女と野獣』と聞くとディズニーのアニメーション映画を思い出す。ただ詳しい内容を思い出そうとしたとき、「ベル」と野獣の広々とした屋敷でのディナーやダンスシーンの情景の印象が強い。
しかし、本作を観ると「なぜベルは野獣の城にいるのか」「野獣はどうしてその姿になったのか」「野獣の過去は?」などの疑問のパズルが組み合わさっていく。
野獣の悲しい過去や思い出を「ベル」の目を通して解き明かしていき、そして野獣の城の招かれざる客たちの横暴から「城」を救っていく過程で明らかになる、「ベル」と野獣に対する気持ちの変化とふたりの恋愛感情の芽生えに注目してほしい。
秘密の呪縛から解き放たれた野獣が本来の姿を取り戻し美女の前に現れる瞬間を観たいから、実写で作られた本作を観たいと思う方は少なくないと思う。私は、この物語を観ることによって、子供のころから知っていたはずの「美女と野獣」のストーリーの軸と記憶の中に隠されたエピソードを組み立てられた気がした。
是非、この機会に自分の中の「美女と野獣」を観直していただきたい。(文・木下奈々子)
(C)2014 ESKWAD – PATHE PRODUCTION – TF1 FILMS PRODUCTION ACHTE / NEUNTE / ZWOLFTE / ACHTZEHNTE BABELSBERG FILM GMBH – 120 FILMS
『美女と野獣』
監督:クリストフ・ガンズ
CAST:レア・セドゥ/ヴァンサン・カッセル
配給:ギャガ
提供:アミューズソフトエンタテインメント、ギャガ
上映時間/113分
製作国/仏独合作
作品HP: http://beauty-beast.gaga.ne.jp/
【2015年公開作品】
※掲載当時の情報になります。