第27回東京国際映画祭の全ラインナップが発表されました。コンペ日本作品は吉田大八監督の『紙の月』に決定。
2014年10月23日から開幕の第27回東京国際映画祭の全ラインナップが発表された。今年は92の国と地域から1373本を超える作品がエントリーし、15作品がコンペティション部門に選出。虎ノ門ヒルズで行われた記者会見では、ゲストとして本年のフェスティバル・ミューズである女優の中谷美紀さんと、日本映画として唯一コンペティション部門に選出された『紙の月』の吉田大八監督が登壇した。
中谷美紀さんは「一人の映画人として、日本、東京、映画を愛する映画ファンとして貢献していけたらと思っております。東京国際映画祭での思い出は、19歳のときに初主演した利重剛監督の『BeRLiN』という作品を上映していただいたことが本当に嬉しかったですね。実は未だにコンペ作品には出演していないんです。コンペ作品に出てレッドカーペットを歩くのが夢ですね」と語った。
そして、コンペティション出品作品『紙の月』吉田大八監督から挨拶があり、コンペ作品に選ばれた事に対して、「勝負事は嫌いじゃないので自分事として映画祭を楽しめそうでワクワクしています」とコメント。「小説を読んでまず女性とお金という二つの切り口から映画を想像した時に、この企画を他の人には取られたくないと思いました。彼女が犯罪をする中で何を手に入れて何を失ってどこへ進むのか、最初はわからなかったのですが、彼女が走って行く先を見つめていきたいなと最初に思いました」と本作を監督するにあたっての経緯を語った。
主役に舞台活動を中心に活躍していた宮沢りえさんを起用したことについては、「ずっと舞台で活躍されていて、映画には興味がないのかと思っていましたが7年ぶりに引き受けてくださって、彼女が持つ全てを撮影で出し切ってくれました」と感慨深げに話した。
東京国際映画祭については、「自分の映画に限らず他の作品を観て、同じ作品を観た人や僕の作品を観てくれた人と話がしたいです。こうして映画祭に参加できたことが嬉しいです」と、作品を通して観客や様々な人との会話を楽しみにしていることを、意気込みと共に語った。映画『紙の月』は、角田光代による原作の映画化作品。平凡な主婦が起こした巨額横領事件を『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督が描く、衝撃のヒューマン・サスペンス。出演は、宮沢りえ・池松壮亮・小林聡美ほか。(以上/文・撮影 木下奈々子)
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