映画『寄生獣』ワールドプレミア、第27回東京国際映画祭にて上映。完成報告記者会見が開催
第27回東京国際映画祭にて2014年10月30日にワールドプレミアとなった映画『寄生獣』(配給:東宝)の完成報告記者会見が六本木ヒルズにて開催された。 登壇したのは、山崎貴(監督・VFX)と、染谷将太・深津絵里・橋本愛・東出昌大らのキャスト陣。講談社アフタヌーンで連載された1990年代の名作である漫画「寄生獣」(岩明均/講談社)が山崎貴監督により実写化された。
(c) Nanako Kinoshita
圧倒的なVFXと俳優陣の演技力で、寄生生物「パラサイト」の動きや格闘シーンをVFXを用いて描き、原作で描かれていたパラサイトの刃物(触手)の鋭さと俊敏さが目立った作品となった本作。
一度、映画化権が海外にあったという本作が日本へと移り国内での激しい争奪戦の末、原作連載当時に「VFXのスタッフとして携わりたいと思っていた」と語る、山崎貴監督のもとへ話が舞い込んだと言う。時代と共にVFXの技術が進み、主演の染谷将太と「ミギー」役の阿部サダヲが、モーション・ピクチャーを駆使した撮影に臨み、現在のVFXで”脳を乗っ取れず右手に寄生した”パラサイトと主人公の泉新一とのやりとりを巧みに表現することが可能となった。
(c) Nanako Kinoshita
「顔の割れる」パラサイトを演じることとなったキャストの1人である深津絵里は、山崎監督のオファーに「抵抗はなかった」と語り、完成した作品を観て「もっと割れろ割れろ」とまで思ったと言う。子供を宿して心境の変化を起こしていく女性を演じた深津が「脳は乗っ取られても、脊髄は乗っ取られない。人間の時の記憶が脊髄に残っているからかもしれない」と、オファーを受けた直後に語ったことが、「田宮良子(たみや・りょうこ)は彼女しかいない」と山崎氏を思わせた出来事だったと言う。
(c) Nanako Kinoshita
とある事件から、徐々に変化を起こす新一を演じる染谷将太を中心に「人類」の”生”や”食”に対する認識にスポットをあてながら「ミギー」の寄生獣としての視点を併せてストーリーが展開。11月29日公開の2部構成のパート1では「家族」の関係性に焦点を当てて、「進化」を遂げ始める新一の姿や、寄生獣たちの起こす怪事件を追う警察の動きなどが表現されている。
(c) Taku Yamamoto
当日は完成報告会見のほか、第27回東京国際映画祭のクロージング作品として、ワールドプレミア上映の直前に観客の前で初めての舞台挨拶を行った。主題歌「パレード」を歌うBUMP OF CHICHENもかけつけた。同映画祭は31日まで開催される。(文・木下奈々子)
(c) 映画「寄生獣」製作委員会
『寄生獣 完結編』【2015年公開作品】