【カモシカワークス公式Web】

<レビュー> 2016年カンヌ国際映画祭・監督賞受賞作品『パーソナル・ショッパー』


5月12日(金) TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショーの映画『パーソナル・ショッパー』のマスコミ試写に参加してきました。見どころ他レビューにてお届けします。



©2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR

パリでセレブに代わってファッションやアクセサリーを買い付ける“パーソナル・ショッパー”として働くモウリーンを演じるのは、世界的大ヒットを記録した「トワイライト」シリーズで熱狂的な人気を獲得したクリステン・スチュワートフランスの鬼才オリヴィエ・アサイヤス監督とは『アクトレス ~女たちの舞台~』に続く再タッグとなります。オリヴィエ・アサイヤス監督は数作品を通して同じ俳優を起用する傾向があるとのこと。

また、本作のモチーフは<ファッション>×<ミステリアス>の化学反応なのですが、カンヌでは賛否両論だった要素=<スピリチャル>な現象の描写が含まれています。最終的には「監督賞」で落ち着いたそうです。


©2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR

ただ、<言葉>でも追い詰められ、また知らない相手に魅せられるようにもなり、操られて「セレブ」のファッションを身に付けて気分が高揚していく様をクリステンは自然体で演じている。心臓の病気で亡くした双子の弟の存在を気にしていることもあって、普段は中性的なファッションを身に着けて、髪型もラフ。そして少し荒い振る舞いをする彼女の演技はファッション含め意図的な役作りだったようです。

現在、実際にシャネルの広告にも登場しているクリステンが、セレブのプライベートに振り回され、服を身に着けることを「禁じられている」から「着たくなる」欲求にかられる主人公を演じているが、感情移入というか、“電車でパリからロンドンに移動する”異文化に身を置く彼女が、<ファッション>という我々との共通項で結ばれているのも本作を理解する窓口になるようで面白い。


©2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR

身に着けるハイエンドなアイテム。ブーツに始まり、ドレスやランジェリー。カルティエの新作アクセサリー。どんどんエスカレートする彼女の欲求と比例して輝きを増し洗練された印象になっていく彼女の変化も圧巻です。

<言語>という要素から考えると、全編フランス語と英語交じりで描かれていますが、彼女の英語はスラング交じりだったり、「Yap」とメールに書いたり、ちょっとぶっきらぼうな表現でキュート。SMSのやり取りの英語は凄まじい速さで展開するので、注意深く見ていると表現がシンプルなのに追い詰められていく巧みな脚本の作りに圧倒されます。

2016年カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した映画『パーソナル・ショッパー』をあなたはどう見るか。<リアル>の対象的なものとして、あえて描いたといえる<スピリチュアル>な要素も含めて、ファッションへの欲望・変身願望を描いた本作を是非堪能してほしいです。

(文・木下奈々子)


【作品情報】
出演:
クリステン・スチュワート、ラース・アイディンガ―、シグリッド・ブアジズ
監督:オリヴィエ・アサイヤス(『夏時間の庭』『アクトレス ~女たちの舞台~』)
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
公式サイト:personalshopper-movie.com
原題:Personal Shopper/2016年/フランス映画/英語・フランス語/1時間45分/シネマスコープ/カラー/5.1ch
【5/12(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー】

※掲載時の情報となります。
【プレスのお問い合わせ】株式会社ポイント・セット PRチーム
©2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR