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<レビュー&ニュース>10度のグラミー賞に輝いたR&B界のスター、ジョン・レジェンドが映画で初の大役に挑む映画『ラ・ラ・ランド』


米国時間1月8日に開催された第74回ゴールデングローブ賞にて、歴代史上最多となる7部門を受賞、先日発表された米・アカデミー賞でも最多13部門14ノミネートした『ラ・ラ・ランド』がいよいよ2月24日(金)より全国公開される。歌手であるジョン・レジェンド出演のニュースと共に本作の試写を観たレビューをお届けする



© 2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.

二人の若きアーティストが抱く社会生活と仕事のジレンマを描いた本作、そこに、絶大な人気を誇るグラミー賞シンガーで、『グローリー/明日への行進』の主題歌でアカデミー賞を受賞したジョン・レジェンドが、ミュージシャン役で出演することで作品にとって重要な意味を与えることが発表された。彼が演じたのは、バンド“ザ・メッセンジャーズ”のリーダー・キース役で、人気が急上昇してきた自分のバンドにセブを参加させたことでセブとミアの心がすれ違い始めることとなる・・・。


© 2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.

また、レジェンドはこのバンドが演奏する歌の制作に加え、本作のエグゼクティブ・プロデューサーとしてクレジットされている。

プロデューサー陣の一人、フレッド・バーガーは、レジェンドのキャスティングは最初、夢のような話だったという。「スケジュールの観点から言っても、ジョンは色んな作品に取り組んでいたし、出演してくれるだなんて思ってもみなかったよ。オファーを承諾して、十分なやる気と情熱をもって参加してくれたんだ。とても親切で一生懸命だし、すごく堅実な男だったからね、映画の雰囲気にもよく馴染んでいたよ」「音楽の面で、彼が素晴らしいものを僕らに見せてくれることはわかっていたよ。でも、演技という点では、ライアンに劣らない演技力が必要だった。そこで僕らは彼が生まれ持つ才能に圧倒されたよ。映画では歌だけじゃない、彼の色んな面を目にすることになると思うよ」と語った。


© 2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.

また、レジェンドは新しいことに挑戦できるその機会にすぐに飛びついた。「本業であるミュージシャンに通ずる役の中で、俳優としてキャリアを積みながら自分の幅を広げていけるなんて、願ってもないチャンスだったと思ったんだ」「才能ある監督が指揮を執り、なおかつ素敵な俳優陣と共演できるこの映画で、ミュージシャンを演じられるってところに惹かれたんだ」という。


© 2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.

劇中のキース(ジョン・レジェンド)とセブ(ライアン・ゴズリング)の対立もまた、レジェンドを引き付けた理由の一つだった。どんどん多様化していく文化の在り方に、どう対応していくのかという問題の核心に迫る。「キースは『50年も前のものをただ守っていくだけじゃなくて、学んだことを活かして今の時代に合ったものを創り出そう』というスタンス、一方でセブは『伝統に忠実にいこう』という真逆のスタンス。それでもキースは、セブのそんな相容れない部分は置いておいて、優れた才能を自分の音楽に取り入れたいと願うんだ」と熱く語る。また、レジェンドにとって、ライアンと1対1で共演できるチャンスはとても喜ばしいものだったという。「ライアンは、今活躍している中でも最高の俳優の一人だろ。だから本当に謙虚な思いで撮影に臨んだんだ。彼にはとても助けられたし、支えられもしたよ。ライアンが励ましてくれて、『大丈夫、俺ならできる』って気持ちになったからね」とライアンへの思いを語った。


© 2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.

そして、さらに『Start A Fire』を制作し、レジェンドはキャラクターへの理解をさらに深めたという。「面白いことに、セブとキースがどんな音楽をやりたいのか模索するその間に、この歌はどんどん変化していったよ」「セブは、どこまでならポップミュージックの要素を入れてもいいか、どこまでなら自分のやりたい音楽を妥協できるか、という葛藤に悩まされるんだ」とレジェンドは話す。

それに対しライアンは、「ジョンにとっても自分の現代的なサウンドをこの映画に持ち込むのはとても難しことだったんだ。音楽的にもその迫力的にも、この映画の雰囲気とはマッチしない可能性があったからね。でも、実際には映画の雰囲気を壊すどことか、ジョンが作ったのは僕のキャラクターが経験する葛藤をより複雑なものにしてくれるような素晴らしい曲だったんだ」とレジェンドを絶賛した。

尚、レジェンドが制作に参加し“ザ・メッセーンジャーズ”が一躍有名になるきっかけとなった曲『Start A Fire』は、2月17日にユニバーサル ミュージック合同会社より発売される『ラ・ラ・ランド – オリジナル・サウンドトラック』にも収録されている。

また、ライアンは完璧なピアニストを演じるためにジャズピアノの練習に励んだ。「3ヶ月間一心不乱に練習した」という。手元クローズアップ含め、演奏のすべてをライアン本人が弾いている。ミュージシャンであるジョンは「本当にうまくてゾクゾクした。ピアノを始めて数か月と思えない腕前だ。正直、悔しかったし、感動したよ」とコメントしている。


© 2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.
▼ジョン・レジェンド(JOHN LEGEND as Keith)
1978年、アメリカ、オハイオ州生まれ。2004年、デビューアルバム「Get Lifted」をリリース。2006年のグラミー賞で、最優秀R&Bアルバム賞、最優秀新人賞、最優秀男性R&Bボーカル・パフォーマンス賞などを受賞する。同年にリリースしたアルバム「ワンス・アゲイン」がプラチナセールスを記録。翌年のグラミー賞では、シングル「Heaven」で最優秀R&Bパフォーマンス賞を受賞し、さらに人気が加速する。2011年のグラミー賞でも最優秀R&Bアルバム賞を獲得。2013年のアルバム「ラブ・イン・ザ・フューチャー」からシングルカットされた「オール・オブ・ミー」が、ビルボード・ホット100で1位に輝く。『グローリー/明日への行進』(14)の主題歌をコモンと共に手掛け、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞を受賞する。2016年12月に最新アルバム『ダークネス・アンド・ライト』をリリースした。

【STORY】

夢追い人が集まる街ロサンゼルス。映画スタジオのカフェで働くミア(エマ・ストーン)は女優を目指していたが、何度オーディションを受けても落ちてばかり。ある日、ミアは場末のバーでピアノを弾くセバスチャン(ライアン・ゴズリング)と出会う。彼はいつか自分の店を持ち、本格的なジャズを思う存分演奏したいと願っていた。やがて二人は恋におち、互いの夢を応援し合うが、セバスチャンが生活のために加入したバンドが成功したことから、二人はすれ違い始める―。


【REVIEW】

ミアが働く映画スタジオのカフェには女優も立ち寄る。スタジオで働く人々が多く集まるロスで、いつか自分が女優にと大学を中退してひたすらオーディションを受ける。悲しい演技をしているミアの前で審査する人々は笑う。その日々が変化するのには時間がかかりそうだった。一方、セバスチャンも夢があり、ミアのためにジャズの魅力を教えたり、様々な場所へ連れ出す。そして、夢とは違うベクトルへと繋がる仕事を手にすることになる。

夢に向かう人々を壮大なスケール・仕掛けと繊細な演技、ダイナミックな音楽を用いながら描いていく本作。ときにリアルに。ミュージカルというファンタジーの側面もありながら自然と普段のセリフや世界へシフトする場面展開も見事。あまり普段ミュージカルを見ていなくても『ラ・ラ・ランド』の世界観に引き込まれた。そして、本作で夢を追った先に見えるものを美しくも切なく感じる。

数々の賞レースで輝かしい結果を出している本作。劇中の人々のリアルと実際演じる人々の差を感じる気もするが、本作をこのスケールに押し上げるために、監督のデイミアン・チャゼルはハーバード大学時代から構想を練り、彼の代表作の『セッション』制作より先に本作のアイデアを卒業制作として作る。大学卒業後、チャゼル監督本人もロスへ引っ越している。そして劇中で<ジャズ>を描くために、先に『セッション』を手掛け結果をだしてから、夢を実現することになる。経験でものを言う世界でもないが、本作を通じて夢を追いかける人の気持ちと譲れないポリシーや美学があっていいのだと思える。映画に出てくる、実在する建物やライブハウス。夢と現実の詰まった、それでいて清々しい作品と言えよう。

(文・編集/木下奈々子)


© 2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.

【作品情報】

監督・脚本:
デイミアン・チャゼル『セッション』

出演:
ライアン・ゴズリング『ドライヴ』、エマ・ストーン『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』、J・K・シモンズ『セッション』

提供:ポニーキャニオン/ギャガ
配給:ギャガ/ポニーキャニオン

【2月24日(金) TOHOシネマズ みゆき座他全国ロードショー】


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