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映画『うつくしいひと』熊本復興に向けて続編製作が決定。東京国際映画祭Q&Aに行定勲監督・キャスト陣登壇。


熊本を舞台にした映画『うつくしいひと』。震災後も熊本復興のために本作のチャリティー上映を行う中、第29回東京国際映画祭でも本作が特別上映され、行定勲監督をはじめ、姜尚中や橋本愛、高良健吾、米村亮太朗らキャスト陣が上映後のQ&Aに登壇した。


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© Nanako Kinoshita

今年の東京国際映画祭では行定勲監督の取材をすることが続いた。行定勲監督といえば、映画『うつくしいひと』を熊本を舞台に撮影、震災後も熊本復興のために本作のチャリティー上映を行っている。震災直後にSNSを通じて、監督自身が道路が通っているか分からない中、車を走らせて大切な人の安否を確認している状況が伝わってきていたことを覚えている。

映画『うつくしいひと』では熊本城の話題が多くでるが、本作は昨年(2015年)の11月に撮影された。私自身も近年、親の出身地である熊本に行き、震災前の熊本城のてっぺんに登った。見晴らしがよく熊本といえばこの城であるという印象が強い。本作の出演者の高良健吾さんも「市内に行けば当たり前に様にあった熊本城も相当やられた。映画は記録だとも言う。熊本産のこの映画で、震災前の熊本の景色を残す事ができたのは相当な意味になった」とコメントしている。

また、映画『うつくしいひと』では熊本出身のキャストばかりが出演している。中でも配役の前に脚本を考えた行定監督は、一人だけ当て書きをした人がいた。それが姜尚中さんだったそうだ。「熊本の著名人の中でも異才といえる姜さんを日常の中に置けば、風景や役者たちに息づいた『熊本の情緒・力強さ』が際立つと考えた」と行定監督はいう

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© Nanako Kinoshita

そして、今回の東京国際映画祭では熊本出身のキャスト陣とくまモン、そして行定監督が上映後のQ&Aに登壇した。行定監督は本作を撮影して、後に震災があり、「もう3年くらい経った気がする」と語った。「思い出」ではなく、日常を取り戻すのに時間がかかった人も多かった熊本の日常は今も進行形に存在する。

姜尚中さんは「台詞があるのを知らなかった」「ナレーションがよかった」と話したが、行定監督いわく、撮影開始直後は同じ出演者の橋本愛さんと20テイクも撮影したシーンもあったそうだが、珍しく行定監督のもとに岩井俊二監督から電話があり、「姜さん、よかったよ」と言われたというエピソードを披露した。

『うつくしいひと』
© 2016くまもと映画製作実行委員会

熊本弁が新鮮だったと言われているのが高良健吾さんだ。「映画の力を借りて恩返しをしたい」と熊本への想いを語る高良さんだが「震災後の今の熊本を映像として残すことに意味がある」とも語った。実は『うつくしいひと』は続編の撮影が決まっているそうで、この映画祭のイベントの数日後からクランクインすることが行定監督から発表された。

また、『うつくしいひと』は熊本県の協力で撮影された作品だが、当初「阿蘇山」「熊本城」「くまモン」は作品に入れてほしいと熊本県担当者から依頼があったそうだが、イベントにも登壇したくまモンも実際出演した。橋本愛さん「菊池渓谷」を熊本の風景として挙げ、「故郷だからこそ知らなかった場所」「美しい風景」と語った。

震災後、復興に向けて動き出す中「風化させてはいけない」と行定監督は強く思っているという。映画を通して熊本との距離を繋げていくことの重要性を感じており、続編は来春公開の予定となっている。現地で映画祭も計画していることを明かし、復興への意気込みを語った。(文・撮影:木下奈々子)


【作品情報】

行定勲監督作品『うつくしいひと』

出演/
橋本 愛 姜尚中 / 高良健吾 石田えり
米村亮太朗 高崎恵理 宮崎 京 黒木よしひろ
中川ひとみ 伊藤匠 油木田一清 島ゆいか
小原汰武 花童 くまモン

監督・脚本/行定 勲
脚本/堀泉 杏
プロデューサー/倉田泰輔、占部 裕、古賀俊輔

撮影/福本 淳 照明/市川徳充 録音/伊藤裕規 美術/相馬直樹 音楽/めいなCo. 編集/今井 剛
スタイリスト/馬場圭介 ヘアメイク/倉田明美、松本美奈 助監督/工藤将亮

主題歌/忘れらんねえよ

題字/松永壮

制作プロダクション/ユーツー
特別協力/熊本県、熊本朝日放送
製作/くまもと映画製作実行委員会

http://www.kumamotoeiga.com/


© 2016くまもと映画製作実行委員会
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