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『へうげもの』 / Hyouge Mono


講談社「モーニング」連載中の珠玉の武士ストーリー。「武か数奇か」を問うエンターテイメント作品 !!「茶の湯」と「物欲」に心を奪われた戦国武将・古田織部(ふるた おりべ)。コミックス14巻に焦点をあて、作品紹介・作家情報など、『へうげもの』(Hyouge Mono)の世界観をのぞいてみました。


(C)山田芳裕/講談社・モーニング
(C)山田芳裕/講談社・モーニング

INTRODUCTION

あるときは「信長」、「秀吉」、「家康」に仕えた武士。またあるときは「千利休」(せんのりきゅう)に師事する茶人。そしてまたあるときは物欲に駆られる男。戦国〜慶長年間を生き抜いた異才・古田織部。史実に登場する古田を主人公に、甲冑・服飾・茶、そして陶芸やグルメなどの様々な「数奇」を愛する武士が、出世していく中で、様々な場面で「生か死か」「武か数奇か」を問う、極上武士エンターテイメント作品。

【講談社「モーニング」連載作品/コミックス 発売中】

(C)山田芳裕/講談社・モーニング
(C)山田芳裕/講談社・モーニング

COMMENT & COMIC ARTIST

戦国〜慶長年間を生き抜いた異才・古田織部を主人公に、「武」と時に相反する「数奇」、つまり、甲冑・服飾・茶・陶芸・グルメなどの趣向を、激動の時代を背景にフィクションにて描写する中に見える独自の世界観を、信長、秀吉、家康に使えた武士の視点から描いた著者は、山田芳裕(やまだよしひろ)。大学在学中にモーニング主催、ちばてつや賞一般部門で入賞。受賞作『大正野郎』で同誌よりデビュー。以来一環してモーニング、ヤングサンデーなど青年誌で活躍。漫画家、編集者に加え、各分野のアーチストからも絶大な支持を受ける。作家性を高く評価されながら、一般読者に支持されないジレンマを抱えていたが、最新作『へうげもの』が名実ともに絶好調。主な作品は他に『考える侍』『しわあせ』『デカスロン』『度胸星』『いよっおみっちゃん』『ジャイアント』などがある。ちなみに物欲の激しさは『へうげもの』の主人公・古田織部級との噂。やきもの、のりもの、文房具、音楽、映画など、多方面に深い造詣を持つ。

(C)山田芳裕/講談社・モーニング

山田芳裕(やまだよしひろ) 1968年、新潟市生まれ。

大学在学中に「モーニング」主催、ちばてつや賞一般部門で入賞。受賞作『大正野郎』で同誌よりデビュー。以来一貫して「モーニング」「ヤングサンデー」など青年誌で活躍。最新作『へうげもの』が絶好調。主な作品は『考える侍』『しわあせ』『デカスロン』『度胸星』『いよっおみっちゃん』『ジャイアント』など。


STORY

信長・秀吉・家康に仕えた武士、古田織部。関ヶ原の合戦を控え、「数奇」の天下へひた走る!!

あるときは信長、秀吉、家康に仕えた武士。またあるときは千利休に師事する茶人。そしてまたあるときは物欲の権化。戦国〜慶長年間を生き抜いた異才・古田織部。最新刊の14巻は、政権奪取へ多数派工作に余念のない徳川家康と、濃緑茶&緑釉器を得て、数奇の天下へひた走る古田織部。長い道のり踏み越えて、いよいよ関ヶ原開戦前夜。戦国史上最大のトピックを山田芳裕史観で描きます。茶々など、女性たちの動きも活発になってきます。

(C)山田芳裕/講談社・モーニング
(C)山田芳裕/講談社・モーニング

REVIEW

古田織部の顔の変化が面白い!瞳の奥を覗いてみたくなる、感情豊かな表情の描写は圧巻!
主人公の古田織部、最初は影が薄い気がした。たしかに信長、秀吉、家康のほうが歴史上はるかに有名だし、アクが強い戦国武将がいっぱい出てくるからかもしれない。しかし、茶席で「数奇」な名物茶器を品定めしているときなど、織部の細い目が爛々と輝く。信長の前ですら、家臣たちのファッションチェックをして、「ククク」と吹き出したり、イノチガケの戦の最中なのにやきものを見てニヤリとしている。「この戦い、どうなるの!?」と真面目に読んでるこちらとしては、「ここで数奇ィ!?」とツッコミたくなる。かっこよすぎない等身大の男性像。物欲に忠実な現代的な人間像。歴史ドラマの主人公としてはかなり異色だが、数奇を糧に成長する織部を見ていると、存在感がどんどん濃くなってゆくのだ。「武」より「数奇」という人物が戦国の世で生き残るストーリーは、女性から見ても興味をそそられる。自分たちが知ってる「茶道」と、本作で描かれる「茶の湯」の違いにもちょっと驚いてしまう。茶室が武将たちの政治の場であったとは。かえってお茶の深さに「すごい……」と思わざるを得ないのでした。

戦国武将を支える女性たちの生き様もご覧あれ!時代に翻弄される数奇な運命も見どころ!
健気でたおやかな織部の妻せん。さまざまな欲望を決して隠さない茶々。男顔負けの勇ましさで散った細川ガラシャ。男たちの陰でいつも泣かされるのは女ということになっているが、『へうげもの』の女たちはいわゆる戦国女性のイメージとはちょっと違う。男を支えるだけでなく、男に代わって家を仕切り、自分たちも歴史にコミットしてゆく。メソメソしている女では、とても乱世を生きられなかったのかもしれない。いくさや女性問題で振り回されても、男たちをたくみに転がす強さは印象的だ。個人的には茶々の湯浴みシーンが最強。しどけない姿で息子秀頼の父親について語る野心家ぶりはすさまじい。彼女のビジュアルには「ぞわっ」とするけど、だからこそ続きが読みたくなる。まさに必見です!


講談社モーニング公式サイト  http://morningmanga.com/

(C)山田芳裕/講談社・モーニング

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